昭和六年九月二十四日 飛鴻峠
大きな大きな峠、飛鴻峠にさしかった、登れども登れども山又山、正午やつと頂上に達した。山は大変な岩山である、この岩山には昔虎がすんでいたと聞く。加藤清正の虎退治の武勇伝は蓋しこのあたりのものではあるまいか。
峠を下ったところに川があって舟で渡った。兵隊は皆水筒を川につけて水を飲んだ。その夜は古里院の河岸で露営、夜間演習であった。
吾が青春の兵なりし日よ古里院の
露営に聞きしアリラン哀歌
秋の夜の更けて冷たし寂として
虫の音ひとつ聞くこともなし
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大きな大きな峠、飛鴻峠にさしかった、登れども登れども山又山、正午やつと頂上に達した。山は大変な岩山である、この岩山には昔虎がすんでいたと聞く。加藤清正の虎退治の武勇伝は蓋しこのあたりのものではあるまいか。
峠を下ったところに川があって舟で渡った。兵隊は皆水筒を川につけて水を飲んだ。その夜は古里院の河岸で露営、夜間演習であった。
吾が青春の兵なりし日よ古里院の
露営に聞きしアリラン哀歌
秋の夜の更けて冷たし寂として
虫の音ひとつ聞くこともなし
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