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練兵

永登浦

今日は仲秋の日で農家は休みと見えて、子供達は黄、赤、緑の晴着を着て庭でギコトンをして遊んでいる。

ま黄なる鮮服姿や鞦韆に
裾なひかせし鯵少女を思う

鞦韆
ブランコ

 若者は縁側にうららかな秋の陽をうけて、笛を楽しんでいる。今年は豊作と見えて、田んぼには黄金の波がただよっている。

韓国の民謡聞けぱ若人の
トラジ唄いし面影うかぶ

漢江河原

漢江河原

 広い汝矣島の砂原に続いて大漢江が悠々と流れている。川向うが桃山、それから南大門から上った長城が畝うねと北に走っている。 

                          

 今日は午後から夜にかけて前晴哨の訓練である。「敵は天安、鳥致院に宿営している、その斥候がこちらの状況を探りに、あちこちに出没している」。

 茜に染った夕日は西に落ちて物静かな夜の帳がおろされた。

陣営の夕暮楽し飯合の
蓋ふきあげて重湯こぼるる

 夕食の飯合炊さん、副食は魚の罐詰で参った。

 ヨボ(朝鮮)の部落のすぐ上を天安に通ずる道路が通っており、私はその鞍部の歩唱であった。

秋深き夜半の歩哨に吾が立てば 砧(きぬた)の音のことことと遠し  仲秋の明月はもう高く昇って、どこからともなく笛の音が聞こえ、アリランを唄う声がもの悲しく聞えてくる。

アリラン アリラン アラリリヨウ
アリラン コウゲル ノモカンダ
ナルル ポリゴ カシヌニンム
シムニド  モツカソ パーピヨナンダ

妾をすててアリランとうげを越えて行く人は 一里もゆかずに足が痛む。

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